観光
世に「〆切本」なる一冊が存在する位だから。
見知らぬ番号からの着信ありて。応ずるに「昨日が〆切」と。はて。いつぞやに投句には応じたものの、以降、届くはずの応募句の一覧が。いや、とうの昔に送ったはず、と相手。もしや。山に埋もれし郵便物に見かけるは厚みを帯びし水色の封筒、「麻生区文化協会」と。
詫びなどいらぬ、事は急を要するゆえ、本日中に上五のみでもFAXにて返信を。上五とは五七五の最初の五文字、これが不思議と重ならず、それで伝わる便利な暗号。区俳句大会に寄せられし作品数や四百を下らず。仕事を終えて向き合うに。目立つは老い詠みし句。それはそれで「なるほど」と気づかされること少なからずもやはりどことなく。
詠む以上に選ぶほうが。投句者の全員に配布される冊子には選句一覧が掲載されるに見られる資質。追うは追「ふ」、であり。んな仮名がそのまま残るは初心者の証。んな句を選ぶとは、なんて言われそうなものなれど、その一点を以て入選から除外するは何とも惜しく。発音は同じな訳で、仮名づかいに勝るは視座。純粋に発見を詠んだ句こそ。
そちらは舶来ゆえ俳句との相性はイマイチのはずも。「首に汗背には冷や汗パーパット」と。川柳っぽくも季語は「汗」にて。俳句なるものは万人ウケこそ基本とされるもこれだけは特別、よくぞその一句を。それこそが俳句の醍醐味。選者が選びし句が同じなんて。誰だ、こんなヤツを選者に入れたのは。来年は私の名は消えていたりも。
傍若無人ぶりは俳句に限らず。質問の原稿とて勝手気ままに。代表質問とあらば個人ならぬ会派の質問となり。折角の力作に手を入れられることを訝る向きもあるやもしれぬ。が、書き上げるまでの過程こそ肝心であって、書かば終わり、そこに未練なく、あとは勝手に。次なるは他人の原稿の観察であり。
同じ会派のK君が手がけるはそちら。外部に流出するのは税のみならず。インバウンドなる言葉の意味こそそれとなく知るも、人を呼び込みて「稼がねば」と。その橋頭堡とされるは案内所。見知らぬ来訪者が駅下りて頼るはそちら。それすらもないというのは恥ずべきこと。そこに市内の銘菓に名産品でも置かばきっと。膨らむ期待に。
名所自慢や本市に限った話になく。裏を返さば我が町への誇り有するがゆえ。ぜひ名所に、とは言うけれども。得てしてそれこそが実寸大の評価であって。計画と申しても前のめりにならぬことこそ。彼が疑念を呈するはまさに屋台骨ともいえる一文。
そこには「行きたいまちこそが住みたいまち」。つまりは自らが行きたくなるような市を目指そうと高らかに。旅先訪ねてそこに豊かな自然や絶景、旨いメシはあるやもしれぬ。されど、ならばそこに住みたいか、と言われれば。中にはそんな人がいるやもしれぬ。が、そもそもの前提、その基本認識に無理ありはせぬか、と。
若手の視座に気づかされること少なからず。
(令和7年9月10日/2947回)
0コメント