後期
許されぬ浪人。その重圧やいかばかりか。まさに修羅場と化すに跳ね上がる偏差値は「前期」と同じ大学とは。不合格ならばまだしも、スタートラインに立てぬはあまりに。それも行く手に立ちはだかるはアイドルグループのライブ、文科相も言及する異例の事態、とか。
宿無しの悲劇やそこに限らず。人口四万人の市に四十万人が押し寄せる大曲の花火を見てみよ、いや、花火にあらずともサロマ、いや、先週末のNAHAマラソンとて。こちとて安宿にラブホ、はては車内泊、とて探さば何かしら。
むしろ解せぬは便乗狙いし面々。宿代とて一、二割ならいざ知らず、倍額、いや、数倍とはさすがに。そう、今回とて同一日ならず、あくまでもニアミス。確かに、前期の合否後の出願とあらば後手は否めぬも仮予約なる選択肢とて。いや、それにもまして。
万事抜かりなき手配も入試に不測の事態はつきもの。朝の腹痛から大雪による遅延、そして、終わって気づく答案用紙への記入ミス等々。何も人生は受験のみにあらず、それもまた運命、と潔く身を処すが利口、と所管を述べるに。
この人でなし、んなことで政治家がつとまるか、と妻。日程変更は無理やもしれぬが、試験の会場位は別にあってもいいかも、と譲歩すれども。何をバカな、彼らは先々最低四年、そのキャンパスでの生活を夢見て試験に臨むに代替など言語道断、どくのは向こう側だ、と怒髪天を衝く勢い。
いえいえ、妻から見れば、たかがライブ、やもしれぬが、向こうから見れば逆。たかが入試であり。そもそもに彼らにとっては自らの彼氏、旦那以上の存在。それもただのライブならぬ「卒業」ライブ、つまりは永遠のアイドルの見納め。
受験以上の倍率に獲得したチケット。んな狂信者が数万人もいる中に「どけ」などと言えるはずなく。そのへんは個の価値観の話。趣味だろうが受験だろうが必死さは変わらぬ、と理を説かんとすれども相手に通じそうには。それも議論の舞台は自宅ならぬ地元のレストラン。有権者を前に、んな無様な格好だけは。いや、もう既に。
ライブか入試か、オマエはどちらだ。いや、娯楽か若者の将来か、などと言葉巧みに変えて迫られるに。政治ってそんなもんなんだろうな、と。
そう、プラチナチケットを狙うにスマホとは浅はか。やはり「固定」回線に限る、それも大容量の。さりとて、自宅に戻るに間に合わず、職場のパソコンを借用すればMセンセイの追及を受けかねず。んな状況下にあって、ならば、とN部長が向かう先や、漫画喫茶。
いや、200kmレースとあらば何もそこまでせずと。油断した私が甘かった。あえなく敗れし定員枠。前期でダメなら後期、とばかり。そう、100は100でも向こうはキロならぬマイル。つまりは160kmレースへのエントリーを終えた。
(令和7年12月10日/2965回)
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