呱呱和飲

慣例によれば議長経験者は別格扱いにて大所高所からの御意見を...と。さりとて、現職もその一人なんだけど、最近は四十代の議長も珍しくない。任期を終えても意欲旺盛というか、その年齢で一丁上がってもらっては困るもんだから経験者のAセンセイを代表に市議団による事業仕分けを再始動させることになった。
当人が団長の頃から進めてきた出資法人への天下りや無駄な補助金の削減等々、鋭く切り込むことから相手からは不評なんだけどその位の憎まれ役は市への御奉公としてやってもらわねば...。私なんかはしがらみだらけにて当該法人に現職時代に世話になった人物が居ようものなら厳しい追及に助け舟でも...と臨むんだけどやはりその緊張感こそが怠惰防止の抑止力になる。
そう、このたび「運悪く」選ばれた出資法人は... 学校給食の分野で重要な役割を担う川崎市学校給食会。教育委員会の所管となるだけにそちらからや学校長の再就職が目立つ。その主な役割は学校給食における献立と食材の調達。給食費については調理を除く食材相当分を学校が保護者から徴収して当該法人に納付する仕組みでその給食費は1食あたりおよそ2百円の全校生徒約7万7千人だから全市では年間30億円。それに市からの補助金約4千万円が支出されていて、大雑把にいえば30億4千万円の収入で食材と調理員の人件費を賄っている構図になる。
事業仕分けの視点としては天下り以外に地産地消の推進、給食費の未納の実態、また、当該法人は教育委員会のフロアを間借りしているんだけど適正な賃料が支払われているかとか、米、パン、牛乳に関しては神奈川県学校給食会が一括調達を図っているものの本市単独での調達による食材費の縮減が可能ではないか等々。
過日の山形県長井市の視察には地産地消が含まれ、御当地では予め発注量と購入価格が示されることで農家が分担して埋め合わせる仕組みが確立されていたものの、本市とは単位人口当たりの農家戸数がまるで違う上に、市内統一献立ともなれば...。が、そのへんは市内産に配慮しつつ、県内産に枠を広げての調達。未納については毎年約4百万円程度の未収が生じているものの、その後の督促によりその約半分程度が回収されていて、欠損処理の期間が検討中だとか。
また、その献立は小学生の栄養バランスを考慮したものとされているものの、やはり親が愛情を込めて作った料理に勝るものはなく...。やはり親の手料理だよナ。ということで、久々というかほぼ1ヶ月ぶりに自宅にて夕飯となったのだが、当日選んだワインがこちら。「足利呱呱和飲」と読んで字の如く国産ワインなのだが、栃木県足利市の障害者支援施設「こころみ学園」の生徒たちにより収穫されたブドウから作られたワイン。