手土産

息子の授業参観をすっぽかして「票の為に」ゴルフに出かけた話は以前の通りだけど、実はもう一つ大事なことを忘れていた。何かって?結婚記念日。まぁそんな「些細な」事柄が離婚騒動になるようなもんでもないけど...。
バッチを外せばただの人、が、選挙に落ちればただの人以下だそうで、その醜態に世間からは嘲笑を浴びつつも過去の一宿一飯の恩は忘れずにいたいもの。こちらの御仁は無名の泡沫候補を当選させての引退、悠々自適の御身分のはずだけど今も忘れぬ過去の恩義に昔の支援者宅を本人自ら回られたとか、それも「手土産」付で。その手土産ってのが...。
「どういう風の吹き回しだ、随分と気が利くじゃないか」などと本人を目の前には絶対に言わぬ陰口を叩かれたりもするんだけどその手土産の評判が上々。かくいう私なんかもいただいたんだけど、ちょっとした手土産にいいかもしれぬ。そう、ボジョレー・ヌーボー。贈り物にワインって中々いいセンスではないかと。ネット検索で価格を調べるような野暮な行為は論外だけどラベルに何やら英語、いやフランス語が記されていれば意味は分かりゃせんものの「何となく」高級感が...。
高けりゃいいってもんじゃない。いまや1万円以下の手頃な価格帯のワインでも十分に愉しめる。私が二期目の当選の際にいただいた「コノスル」ってワインはラベルに自転車の絵が特徴のチリ産ワインなんだけど手頃な価格が魅力。今じゃポピュラーだけど当時はまだそれほどじゃなかったからナ。コンチャ・イ・トロってメーカーの商品でその後、同メーカーの上級品をいただく機会があったんだけどやっぱりコノスルなんだよナ。思い出のワインといえばスペインのリオハのワインってのもいい。
ぶどうの品種によっては寝かせたほうがいいものもあるけれど、んなどこぞの銘柄の何年物なんてどうせ分かりゃしないんだから。ちなみにボジョレーはガメイって品種なんだけどその年に収穫されたぶどうで作る一本は純粋な直球勝負でがむしゃらに挑み続ける若者を連想させる。ワイン仲間の若手指揮者の中島章博さんから年末のコンサートの御案内をいただいた。カリンニコフってロシア作曲家の交響曲第一番が含まれる。早世されたもののその曲に才能の片鱗が窺い知れるんだとか。
少し前にロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団のミューザ公演を聴いた。海外の一流オケの構成員は半数以上が男性で占められることが少なくないけど、日本はその逆。その違いは楽団員の収入によるものではないかなどと勝手に推測しているんだけど、やはりそれでメシが食えぬ職業ではダメ、目に見えぬものにこそ金銭をかけねば...。ミューザの帰りにワインバーでもと探してみるも隠れ家的な店ってないもんだよナ。えっ似合わない?そうか。