価値観
もう随分前の話なんだけど乗降客が(当時)それほど多くない各駅停車の駅に急行を止めて欲しいとの陳情をいただいたことがあった。前後は既に急行停車駅にてそちらに止まれば急行の意味が...。
このたびの予算審査特別委員会。やはり昨今の世情を反映してか待機児童を巡る質疑が少なくない。作れども作れども潜在的な需要が掘り起こされるから「ゼロ」が続くことはないんだけど、それでも公表される数字以上に待機児童は多いはずで市は意図的に隠蔽しているとその定義の再考を求めるものと、何であちらが入れてこちらが入れないのか、かつての議員特権も今やキチンと点数化される仕組みで利用調整基準ってのが公表されているんだけどそれが公平性に欠ける故に見直すべきだという質疑にほぼ収斂される。
その基準によれば選考の過程は三階層になっていて、まずは保護者の就労時間によってA~Gまでのランクに分類される。これを最上位として次なる第二階層では主に単身世帯等に多少の加算があって、その下の第三階層では兄弟がいる家庭には若干の優遇がなされるんだけど、結果的にほぼAランクの同一点がズラリと並ぶことから最後は保護者の所得の多寡が左右する。
が、ごく「稀に」諸般の事情から働きたくとも働けない保護者などもいる訳で第一階層はBランクにされてしまうから倍以上の所得を有するAランクの方よりも下位になってしまうから不公平ではないか、また、兄弟が居れば下駄が履けるんだけど、少子化の折、多子世帯は貢献しとるのだから下駄を高くすべきではないか、いやいや、こちとら一人しかいないのだからまずはこちらを優先的に...と価値観は様々。
民間で出来るものは民間に、公の施設の管理運営を民間に委ねる指定管理者制度。およそ例外を除いて5年とされる期間毎に選考が行われる訳で下手をすれば継続出来ないかもしれないという不安が業務改善に繋がることもあれば、逆にその不安が職員採用等の経営判断を躊躇させることにもなりかねない。
そんな後者の事情を斟酌して...とはいうもののそりゃ都合のいい口実やもしれぬ。老朽化が目立つ施設の修繕などは市の責任なれどもいっそ施設ごと相手に譲渡してしまえばそんなことに一喜一憂せずに済む訳であるし、どさくさに紛れて予算縮小を...それはあくまでも杞憂かもしれんけど重度障害者ともなればそのへん鋭敏になりがちにて声がかかって雑談方々そのへんの課題を聞いた。
このたび公表された高齢者・障害児者福祉施設再編整備方針(案)によれば指定管理制度の廃止、つまりは公の施設の民営化、既存の施設の譲渡などが検討されているそうで、施設側とは十分な調整を重ねてというけれども「調整」などというのはあくまでタテマエで既に青写真が描かれ、上の意向を汲んで相手を説得して来いとあっては道理が通らぬ。意地悪しちゃイカンぞと釘を刺しておいたけれども施設側とて利用者をタテに市に理不尽な譲歩を迫られても困る訳で...。そのへんいかに折り合いをつけるか、担当の手腕が問われている。
いつも他人事でスマン。
(平成29年3月11日/2332回)
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