都響
どういう風の吹きまわしか、知人の都議からコンサートチケットが届いた。もしや来るべく決戦の応援に来いとの伏線ではあるまいなと勘繰りつつも、餌には弱いもので拝領することになった。
首都圏に楽団は数あれども「東京」を冠するものは本市のフランチャイズオケとなる東京交響楽団に、東フィルこと東京フィルハーモニー管弦楽団等があって、初心者には紛らわしいんだけど今回は都響こと東京「都」交響楽団、そう、東京都が所有するいわゆる自治体オケ。
そのへんの賛否はまた別な機会に論ずる機会もありそうだけど、海外も含めて楽団にはそれぞれに個性というか魅力があって、そちらの定期公演の演目を見れば海外から指揮者を招聘しての現代音楽が少なくない。ベートヴェンに代表される古典は多くの根強いファンが居て集客が見込めるも新たな境地を開拓しようと挑戦する姿勢が中々いいではないかと。
さて、とんだ災難というか、GW明けに常任委員会の行政視察が予定されていて当日の切符やら行程表などを予め渡された。居間の机に無造作に置かれた封筒には何月何日の昼食代との文字。「子供の遠足じゃあるまいし、こんなものをやらされる担当は不本意ではないか」と妻。特にこちとら求めた訳ではないんだけれども見渡せばそんな徒労は少なくない。
相手の如何に関わらず情報を「勝手に」送信出来るのがメールの利点の一つ。が、そこまで近代化されていないもんだからFAXが重宝していて情報が送られてくるんだけど、これが少なからぬ量で一日十枚以上も。まぁ「とりあえず」って意向が大きいんだろうけどメールと違って用紙代もトナー代もバカにならん上、そんな時に限って肝心なものが抜け落ちたりも...。ヘッダーに記された役職や氏名に当事者の気遣いは分からんでもないんだけれどもそれ一枚の為に別な手間がかかるのだから議員各位又はまちづくり委員各位で十分、その分を他の仕事に回してくれと。
「とりあえず」といえば報告も同じ、判断を仰がねばならんもの、急を要するもの以外は不要と予め伝えてあるものの、委員長なる役職上、報告を受ける機会が少なくなく、ちゃんと判断を求められるんだけど、その判断といえば...「で、委員各位への対応は?」。こちとら「とりあえず」なんて言っておけば後々不都合が生じぬことは知りつつも、それをいちいち回って個々に説明をしていたのではたまったものではなく、およそ「いらぬ」と。
知らず文句が出るようならたとえ議長経験者であろうと私が言ってやるなどとエラそうなことを申してみるのだけれどもそれが口だけであることは相手が一番分かっていて。以前、ある会合で最前列に座っていた市の幹部が席次を巡って後列のセンセイから叱責されたとか。それは上役の代理で指定された席に着席していただけなんだけれども「たかだか部長如きが」なんてことだったらしく、そんな話を聞くと「とりあえず」ってのもむべなるかなと。
(平成29年5月4日/2345回)
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