恋愛モノ

時たまの「早め」帰宅がそこに重なるNHKの「100分de名著」。1回25分の全4回で世界の名著を解説。あらすじとその作品の魅力が上手く紹介されていて。
海外文学といえば歴史モノは三国志、推理モノはシャーロック・ホームズ、文豪モノはドエトエフスキーをかじった程度にて恋愛モノなんてのは...。名すら知らなんだが、妻曰く、ジェーン・オースティンの「高慢と偏見」は英文科の必読とか。政治も恋愛に同じ、人の機微に疎くては成就せぬ訳で。
某所でこんな愚痴を聞いた。知人から公営住宅の入居を頼まれた当人、御当地のおらがセンセイに頼みに行ったんだけど「それは順序になっているから如何ともしがたく御意向に添いかねる」との返事。確かにこんな御時世にあってはそれが正論であってその一例を以て直ちに他に寝返るなどというものでもないのだけれどももう少し何かないものか、まぁその実直さが彼の彼たる所以なんだけれども...と。
来年度の予算編成に向けた協議が連日続くも業界団体からの要望には依然として入札制度に関するものが少なくない。下落の一途を辿る価格競争に別な尺度を入れて貰わねばかなわぬとの悲鳴。下駄を履けば履いたでその実効性には雲泥の差がありながらも下駄の高さが同じではないかとの不満。下剋上とばかりに相手のシマに参入する仁義なき戦いの根底には予算削減に伴うパイの縮小がある訳で、例年同じ役所の回答にセンセイなんてものは...とこちらの存在意義すら問われかねず。
当人の利益が相手の不利益に繋がる、逆もまた然りで、利益が相反するのが入札制度の宿命。彼らとて従業員の生活を背負う一国一城の主なのだから利益誘導と言われようとも自らに有利にモノを申すのは当然、一方の役所側とてそのへんの事情はよく知るだけに余計な波風は立てぬに限ると難癖付けて現状維持を図ろうとする訳で...。
その諸々の利害調整こそ我らの出番ではないかと肘肩回して臨んでいたんだけれども、ある団体曰く、どこぞの契約が慣例的に不自然であってその是正を求めているものの、一向に改善の兆しなく理由を聞けば行政側がバッチの関与をほのめかしたとか。「おい、余計なことは言わんでよろしい」と憤慨してみても身に覚えが無い訳でもなく良心の呵責に苛まれる日々。
まぁそんな利害調整といえばこちらも同じ。近隣の宅地開発を巡る陳情の審査。居住権を侵害されるとなると過敏になるのも当然であって、こじれる関係の改善を目的に両者の調整を図るべく条例があるんだけれども違法とあっては許可が下りぬからその範囲内で申請される訳でそこから更なる譲歩をとなるとさすがに...。
で、そのへんが不調になると議長宛に陳情が提出されて、まちづくり委員会で審査がされるんだけれどもそこまでいけば既に相当こじれている上に委員長とあっては双方から脅かされることがない訳でもなく。別に特別な手当を貰っている訳ではないから何とも損な役回りなんだけれども開発における近隣への配慮は委員長として求めておりますゆえ。
(平成29年7月23日/2365回)