大目

たばこに同じ、嗜好品がゆえの宿命と教わったはずも...。事業主とあれば経費処理が可能にてそちらの税収は期待薄、ガサ入れするにもスナックなど数はべらぼうな上に夜の商売となれば双方に何かと不都合もありそうで。予めそちらに課税することで本線のほうは「大目に見る」なんて意図もあるやに聞いて、確かに合理的というか諸々を勘案すればそれなりに理にかなっていそうな気がしないでもなく。大目に見てよ...か。そう、酒税の話。
公平を期す為との名目に公示日以降は候補者の氏名と顔、厳密に申し上げれば本人を類推出来るものについては著しく制限が課せられる。その典型がポスターにて公営掲示板以外の大判ポスターは証紙付きでなければ違反となる。当日の届出の際に渡される証紙を選挙用のポスターに貼り、それを候補自らの掲示板もしくは支援者宅に貼っていくという仕事が生じるんだけれども公示日前のポスターそのままにその上に新たなものを被せていけば「剥す」手間が省ける訳で。
準備よりも片付けが大変なように「貼る」以上に「剥す」行為のほうが断然と体力の消耗が大きく、そのひと手間は陣営の悩みの種。そんなとこまで有権者は関心を払わぬ上にその程度であれば注意勧告位で済みそうなもんだから。急げば当日中には完了するから半日程度は「大目に見てよ」。が、それは候補者側の勝手な理屈であって、そんなズルした当選は価値が損なわれる、選挙の勝敗以上にその後の人生の中で大きく効いてくるもんだ、などとわが陣営の御大が目を光らせるもんだから夜な夜な出没して...。
そうそう、衆院選の出陣式にておらが候補者の演説を遠目に聞いた。前回は比例復活組ゆえ今回は小選挙区で勝利を、と。おい、それもアンタの勝手な言い分で前回は2番だから今回は1番でなんてそんな虫のいい演説はなかろうに。票差以上にバッチの有無が大事な訳でそんなこと自ら公言しては過去の結果を知らぬ有権者に先入観を植えるようなもの。この候補者は前回「比例で」当選したんだナ。
それを知りつつ記す私も相当意地悪なヤツなんだけど、本人の名誉の為に申し上げれば惨敗というより僅差の惜敗なのがせめてもの救いか。いや、あの順風の中で苦戦に陥ること自体がみっともない話で、どんな逆境も跳ね返す位の気概なくば有権者の心は掴めぬ。が、四番、通称「候補者」の資質が劣ろうとも選挙は野球に同じ総力戦。走攻守に采配の妙、運が左右するのがこの世界。
元来、目立つのは本意ではなく衆院選など特に裏方に徹していて、遊説の運転手に茶汲みに雑用、深夜のポスター撤去も冴えぬ候補者の当選の為にこなしているんだけど、深夜コソコソやってるもんだから不審者に間違われて...否、見知らぬ人に「おつかれさま」と声をかけていただいた。こんな深夜まで活動してくれる支援者がいるんだから候補者本人はさぞ立派な人に違いない、などと都合よく票に結びつかんものかと淡い期待を寄せてみるも候補本人以上にそれを支える支援者の力って大きいかも。
まぁ私もそんな支援者の方々に支えていただいている一人ですが...。
(平成29年10月13日/2385回)