安曇野

長野県安曇野市に近代彫刻家、荻原碌山(守衛)氏の作品を訪ねたことがあった。かのオーギュスト・ロダンの影響を受けて転向したとされる同氏の彫刻は鬼気迫るというか精気が宿るが如く異彩を放ち、独特の存在感を示す。夭逝が悔やまれる同氏の作品群は一見の価値あり。その神髄は単なる模倣、再現のみならず内面にあるものを表現出来ねば云々と解説にあった「はず」。
心頭滅却すれば火もまた涼し、内容は拙くとも気迫勝れば...と一席ぶったのだけれども私の番は通り過ぎた。街頭の立会演説会、例のプラカードを背後に見かけぬ人物が他の演説途中で騒ぎだす。安倍退陣を叫ぶ相手を隣が小突いた、で、待ってましたと騒動が拡大。「何なんだオマエは」と、それが当人の狙いなだけに仲裁に入った秘書が低姿勢で宥めていたところまでは目撃していたんだけれどもいつしか平穏に。
トレードマークのもみ上げに季節外れのサングラス、そんな姿には気付いていたんだけれども、支援者の一人、Kさんが相手の背中を叩いて、振り向きざまに「そうだ俺も一介の遊び人だがアンタの御説は御尤もだ」と不意に握手をすれば自然と姿を消したと。どう見ても風貌こそが原因にしか思えんのだけど、同調こそが暴漢を鎮める対処法であって、「排除」なんてのは火に油、その発言が失速の原因だなんてどこかで見かけたナ。えぇ、前段はあくまでも本人の談です、ハイ。
そう、本市にとって衆院選なんてのは後追いに過ぎず、市長選こそが同日に。選挙後などてんやわんやでそれどころではなかろうにと翌週のリゾートマラソンを「随分前に」申込んでおいたんだけれどもこれがどうして人気の大会。本来であれば大会前日の午後便で移動し、翌日走ってそのまま夜に帰る計画を予定したものの既に飛行機の予約が満席。
で、ようやく調整が付いた行程が2日前の金曜日の朝一番に新幹線で名古屋に移動し、そこから直行便で現地に移動、帰りは翌日の午後便なんだけれども3回の乗継便で所要時間5時間、羽田には深夜の到着とか。まぁ選挙後でもあるし、前後一日位は疲れを癒してのんびりと...なんてそんな時だけ抜かりなく宿泊先からレンタカーまで万事完璧に固めておいたんだけれども...。
監視役である第二庁舎五階から連絡があって、選挙後に議会の運営を協議する議会運営委員会の開催を予定していてその日程を委員長の私と相談したいと。選挙後は概ね2週間以内を目途に、との打診に「金・月以外で一任」と返事しておいたのだけれども「金」しかないのだとか。おい、バカ言うな、開催日程の決定位しか委員長の特権はないのだからその位はこちらの都合を優先してもらわねば割に合わぬ。
ましてや、土日を除けば平日とて十日もある訳で、こちとら全て予約済の上、一部は料金支払い済なのだから議長若しくは他会派のくだらん予定を調整してもらうようにと抗弁して追い返せば、柳に風と数日後に一歩も退かぬ覚悟でやってきた。翌々週まで対象を広げて調整を図ったらしいのだが、私のソレが最も不謹慎というか単なる私用に過ぎぬから即刻中止するようにと。
(平成29年10月17日/2386回)