電波

通夜席ではあるまいに状況によっては余興の一つや二つ、乃至は助平話か失敗談の一つもできねば過去を疑われかねず。あちらとて純粋無垢な乙女ぢゃあるまいにその年齢にもならば異性の意図位は...。取材源の秘匿とて本来であれば表沙汰になった際に当事者の身に危険が及ぶことに対する配慮のはずが、それを逆手に隠し撮りが許されるならばそちらこそ罪悪ではないかと思うのは常識知らずといえるか。
善意が仇になる時代。いつも泣かされるオンナと薄情なオトコなんて図式が描かれるのは世の上っ面しか見とらん諸君の既成概念に負うこと大にして今やオンナのほうがしたたか、いや、正確に申し上げれば性差以上に当人の性根が大きく。不適切な関係の代償に金銭貰って相手を売り飛ばすばかりか自ら被害者なんてのはそもそもに人としてどうか。彼とて人の子、野次馬の諸君とて異性に限らず叩けばホコリの一つや二つ。御注意あれというよりも憤懣やるかたない様子にて「公共の電波の無駄」と傘寿過ぎの御婦人から御忠告をいただいた。
貪欲な性分にて同時に何冊かの本を読んでいるんだけど、その一冊にグーグル元会長の著書「第五の権力」が含まれる。第四の権力との攻防。露骨な不買運動なんてのは下であって、社内の不祥事を散々叩かれたどこぞの社長が記者会見で深々と詫びつつ表明した広告自粛に各社の白旗が上がったのは知る人ぞ知る話。正義を貫くはずの権力とて所詮は...。
一連の報道を通じて何が残ったか。あれだけ報道されれば社会の不満は増長されて支持率の低下に。ハナから狙いはそこなのだから「無駄」といわれるのも無理からぬ話で。罪人が如く徹底的に追い詰めるその行為や陰湿なイジメと変わらず子の教育が語れるか。それを理由に大臣辞任を迫るいつもの面々とて然したる功績なんぞなくして都合よく選挙で勝てるはずなく、自らの不都合を棚に上げて追及を緩めぬ以上はそれ相応の対価は覚悟しておかねばなるまいに、と思わんでもなく。
運動会が近い。ソフトボール投げ数メートルの運動音痴である息子が学年リレーの候補に入ったと聞いた。おい、そりゃ計測器の不具合か故障ではないかと疑ってみるも確かに身軽というか華奢にて足だけなら。走りは運動の基本、そこに苦手意識があっては運動そのものと疎遠になりかねず。走遊部が徒競走で早く走りたい子供たちの為の走り方教室「駆けっCoaching」を催すと聞いて久々に顔を出した。
当人の物事に向き合う姿勢に教わることが多い指南役のSさんと併走しつつ雑談を交わす。ほんの少しだけフォームを矯正するだけで見違えるほど上達するばかりか種目が好きになる。好きこそ物の上手なれ、好きになる為の動機付けは二つ。一つは試合で勝つこと、そしてもう一つは勝敗以上の愉しさを見出すこと。ほんの些細なきっかけで愉しさに気付く、苦手を得意に変える逆転の意識転換。その意識付けだけでその後の人生が好転する。独特の軽妙な話術と実践手口は万人を幸せにする第一歩ではないかと。スポーツの指導者が果たす役割ってスゴいよナ。
(平成30年4月25日/2425回)