外遊

定例会の閉幕に両巨頭は外遊...というか姉妹都市云々と聞いて「いい御身分ではないか」と厭味こぼせば向こうとて不本意な様子。そりゃそうだよナ、公費とあらば路地裏の狙撃兵が狙っとるであろうし、隣席が隣席だけに話題とて仕事の延長上位しか。ならば居残り組、鬼の居ぬ間に洗濯...どころか降りかかる仕事の山。その一つに議会改革検討委員会があって不肖私が座長を仰せつかる。改選期に各会派から上がった二十数項目を協議、任期四年中に結論を得るというものにて佳境を迎える。
一つ目の項目は「議決事項の見直し」。予決算は言わずもがな、市政の重要案件は議案として上程し、議会の承認を得べしとされるも対象範囲をどうするか。中でも総合計画こそ議決事案なれどそりゃ百花繚乱総花的な長期計画にておよそ敵方の秘密工作は細部に宿る、三四年を計画期間とする個別計画も含めるべきではないかと。されど、その数、五百以上。少なくとも「あの」計画位は...で、「あの」をどうするか。
で、もう一つは「議案提出のあり方」。市道の認定は従来から議決事案なのだけれども数が数だけに全て明示した上で一本の議案として上程される。されど、指定管理案件などモノによっては事情や状況が異なる訳で、内一つに疑義が生じても全体として括られては判断に迷うではないかと。そのへんが俎上に上がる背景には役所との距離感が根底にあるんだけど、まぁ私は「座長」ゆえ余計な口出しは...。
さて、重い荷を背負って遠き道をゆくが如しとはかの家康公の人生訓。たかだかその程度で弱音を吐くとは、その甘やかしこそが...なんて当初の勢い何処へやら。相手違えば手のひら返る訳で、生徒の体重十六キロに重量九キロを背負わされる実態を申し上げればヤケに詳しいナとSさん。後援会の御意見番との雑談が小学生のランドセルに向いて、賢くなるに荷の軽重は関係なかろうと改善を求めた...と自らの手柄にしてはバチがあたる。そんなことを求めたセンセイが居たと事実関係を伝えた。
それにしても稀な話題が重なる偶然の不思議に門前の小僧何とかってやつで目は閉じていても話題の英語の教材さながらに残る記憶。軽度の症状は知るもさすがに近所のコンビニ位は...と許した判断に悔やまれる咄嗟の一言。気付いた時は既に遅し。所持金尽きれば駆け込み寺へ、タクシーの無賃乗車か警察署の保護か。警察庁によれば認知症の行方不明者一万五千人もその九割方は一週間以内の発見。不運にも所持金数万円が裏目となって行方不明が一か月以上に眠れぬ日々。家族の苦悩のみならず記憶薄らぐ恐怖は当人にしか知り得ず、もどかしさだけが...。
そんな近隣の事例を示しつつ、求められる認知症対策。早期発見、早期治療が有効と知るも当事者には自覚症状は無い訳でいかに自尊心を傷つけずに専門医に繋げるか。さいたま市や埼玉県にはかくの如き先駆的事例があって本市でも...と御意見番に力説した認知症検診。全てはSセンセイの質疑の受け売りなんだけど、帰り際に御令嬢が誘って下さってこの秋に催される認知症の普及啓発イベントに。
(平成30年7月5日/2439回)