名門

そのものが書籍名なんだけれども最近の一冊に「不機嫌は罪」とあった。初対面ならずとも慣れた相手、目下であってもそんな仏頂面されたのでは折角の話も弾まぬ。さりとて、こう暑い日が続いては不機嫌ならずとも疲労感が...。
そんな夏バテ回復に効果的なのが何を隠そう「ラン」であって、ただでさえ仕事で疲れとるのに走るなんてヤツの気が知れぬとはよく聞く台詞なんだけれども逆ですぞ逆。仕事のストレスなどどこへやら、爽快感が鬱憤を忘れさせてくれる。まぁ一度ダマされたと思って...。
半信半疑といえばこちらも同じ。何々式などと名を利用するは著者の下心が透けて好かんのだけれども根拠なき理論を許さんのがブランドだ、などといわれると妙に説得力があったりもして。ラン効果とて「科学的に」検証せねばなるまいし、何よりも疲労とストレスは健康の大敵、日々の些細な実践で疲れが解消、軽減されるのであれば...と米国名門校を冠した一冊に学んだ。
疲れは神経と体の連携の崩れから生じるものにて「乳酸」にのみ原因を求めるはナンセンス、脳科学の分野から解明進む「疲れ」のメカニズム。昼夜働きが交代する自律神経。疲労回復を担う副交感神経が効果を生むには良質の睡眠をいかに確保するか、睡眠不足などもってのほかにてやはり規則正しい生活こそ最善。蛇足ながら肝心の寝だめ効果は薄いとか。
やはり「脳」ってのがミソで疲れない為にじっとしているよりも体を動かしたほうが血流が促進されて脳と筋肉に酸素が行きわたりもするし、夜間の回復力も向上、本来、ヒトは動くのが原則で脳の中枢神経も体の移動が前提とか。うん、やはり「ラン」は科学的根拠に基づいた...まぁそのへんにして。閑話休題。
さて、今回の要望団体には幾つかのスポーツ団体が含まれる。その一つにGB、いわゆるゲートボール連合があって、「なりゆき上」小生が区の会長を仰せつかるんだけど、進む高齢化に伸び悩む会員数。と申してみてもそもそもに普及推進の活動拠点が老人福祉センターなのだから年齢に期待しちゃいかんのだけれども老いて盛んな意欲は端倪すれからざるものにて今やその種目は高校生にも浸透し、どこぞの名門校でも...と相手方。ふ~む、名門の名を上手く利用しとるぢゃないか。
で、後日、御礼を兼ねてと事務所を訪ねて下さったOさんは現役の保護司。数多の不良連中を自立更生させてきたOさんによればおよそ転落の契機は授業の理解度と悪友からの勧誘だそうで、上位成績者は中位を上げぬものの、下位は中位を下げる、ニュートンのリンゴが如くに。故に下位の脱落しそうな連中が夢中になる機会を与えることこそが非行を防ぐ。それこそがGBと信じて疑わずその理論を実践すべく市内高校のドサ回りを一緒にどうかと。
そう、成績順位といえば以前などは全学年の成績が廊下に貼り出されたりもして一喜一憂したものだけど、こと近年などはそんなことしようものなら...。大概、上下位十名の顔触れは同じであってそれを除いた中位の順位変動こそ著しく。さすがに表彰台を狙おうなんてバカなヤツはいないにせよ、遊び相手のアイツにだけは負けられぬなどと副次的効果もあったのではないかと思わんでもなく。
(平成30年7月15日/2441回)