目線
有権者に信を問うなどと言わば聞こえよくも度々問われては巷の耳目集めたい自らの都合ではないのかと思えんでもなく。相手とて候補擁立できねば誹り免れず、市議一人程度なら兎も角も首長とあっては知名度の不利を覆すに...。そのへんを狙ってみたのかもしれんけど、やはりその時だけ目立つ、一時の情に任せて拳を振り上げてみたものの、後で「冷静に」反芻してみるとやはり...ってことが少なくなく。
「国家の発展には民主主義より規律が必要」とはシンガポール建国の父、リー・クアンユー氏の言だそうで、その判断を他に委ねて問われるは民意ならぬ為政者の存在意義だったりも。勝算アリと刀抜けど本人の意図とは裏腹の結果に未だ出口見えぬ異国の状況に問われる民主主義の真価。
二者択一の設問に理に勝る情が左右する結果、何も丁半博打じゃあるまいに短絡的に結論急がずとも模索出来ぬか第三の道。妥協の産物で何が悪い、中庸こそ善、と合意目指す姿勢なくば一向に物事は前に進まぬであろうに。そのへん希薄化する隣人との関係、嫌いは嫌いと安易に割り切る昨今の風潮に...他人事だとどうして饒舌なんだろう。
「おのれより賢明なる人物を身辺に集むる法を心得しものここに眠る」との墓碑銘は米国の鉄鋼王アンドリュー・カーネギー。賢明ならずとも人に恵まれなければ選挙に勝てぬ。サルは木から落ちてもサルなれど、こちとら落ちればサル以下と。役所から資料一つ取り寄せるにこれほど苦労するとは思わなんだ、手のひら返す豹変ぶりにバッチの意義を再認識したとは落選組のO君の談。
当落には少なからぬ運も絡むからその一例を以てバッチ不適格の烙印を押すに些か尚早であるし、むしろどこぞの現職よりもそちらに残留いただいたほうが...。そのへんが上手くいかぬところが世の不思議。一見、情に厚そうに見えし御仁が意外とケチで薄情だったりもするんだそうで落ちて知る人の表裏。
人は見た目で判断してはいけない、そこまでは結構。されど、人はオマエを見かけで判断すると思えとは舌禍絶えぬあの大臣の父君の遺訓と人づてに聞いた。役人がこちらに何かと気遣って下さるは人柄ならぬバッチのおかげ。されどこちらが接する際は肩書きによらず人柄というか相手の仕事に向き合う姿勢が評価の分かれ目。そこを勘違いしちゃうといつしか独善的で不都合なことにも耳をふさいでしまうことになりかねず、やはり目線は低く、そして、耳は立てておかないと。
障害者のスポーツ支援に携わるSさんから相談をいただいた。中原区井田地区には障害者の施設多く、運動用具を保管する体育館の前の前にグランドがあるのだけれども用具を搬入するに外周をぐるっと半周せねば正門に回れず。途中、抜け道あるも手すりなき階段にて不親切ではないかと。
折しも予算審査特別委員会が控えていたから好都合とばかりに現地を目で見て改善を指示したのだけれども相手とて故意ではない訳で気付かされる視点。届かぬ声を届けるべく、「御用聞き」の中に見える真実、生活者目線の政治と選挙公報に一文を入れた。
(平成31年3月10日/2486回)
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