印鑑

散らかる印鑑からそれと思しき一つを選んだつもりが、不適合にて再手続となった。そこに勢力図が透けて見えるのだけれども入学後の「指定」口座はやはり...われらが農協。複数ならぬ一社とあらば事務負担は軽減される学校側と新規顧客の目標課せられる機関側の意図が重なり。が、所詮はその為「だけ」に用意された口座にて卒業後には解約...いや、それすらも億劫とされてか休眠口座の予備軍が大半と聞いた。
教育とは何ぞやの問いに一概に同列に論じ得なくもそれを克服するところに教育者たる意義がある訳で。単なる学力競争では巷の安売り合戦に同じ。缶ビールなどはいかに原価抑えて廉価で捌くかに尽きるもやはりそれが見えぬワインをいかに「適正な」価格で売るかこそ商いの妙味であって目がそちらに向かねばいづれ人工知能に...。
スポーツフェスタなどとカタカナ表記になっただけでもヘンな意図があるのではないかと疑っとるのに内容を大幅に簡素化した上で午前中のみ...と聞いてそりゃ単なる手抜きではないかと憤慨してみるも「塾の時間に間に合わない」「弁当作りが億劫」「早朝の長蛇の列が迷惑」等々、保護者の都合若しくは近隣の事情に負うとか。
が、それのみならず、こちらなんぞ実施率は半分以下。それも家庭「訪問」ならぬ保護者「面談」に格下げされた挙句、「任意」とか。そりゃ私とて過去に成績ならぬ態度に難アリだとかで「特別」扱いされた身なれどそれがまた抑止力になっていたのも事実で意義こそ否定されるもんでもなく。
時代が時代だけに共働きとあっては「忙しい」との保護者の言い分も分からんでもないけど、授業参観に運動会(いや、スポーツフェスタ)あらば夫婦のみならず祖父母連れだって押し寄せるのだから仕事に追われている訳ではなかろうに。とすればやはり他人様から干渉されたくない、余計な御節介を嫌う風潮に押し切られとる側面はないか。保護者の都合、そりゃ否定はせんけど、そこで失われる教育的意義を説いた上で結論に辿り着かねば怠慢と言われても...。
一方、学力テストの結果公表は序列格差に繋がりかねぬとは拒む理由なれどそれを理由に非公開とする負の側面はないか。落ちこぼれを生まぬ教育は美談に聞こえがちも、伸びしろのある生徒の可能性の芽を摘みかねず。学力が全てではない、それは結構。されど、国の宝を預かるにそれだけの役目を果たしているかと聞かれれば首をかしげざるを得ず、教育者としての矜持なるものを問うてみたくもなるのは私だけか。
選挙前にと推挙された中に「戦後国際秩序の終わり(千野境子著)」があって思慮求められる一冊。湾岸戦争における130億ドルもの拠出に謝辞一つ寄せられぬあの一件。民意に反する政権の暴挙などと向けられる非難ばかりがはやし立てるもならば負担分かち合う為に受入れ迫られれば口つぐむ批評家の面々に「最低でも県外」で放り投げた禍根。久々に目にしたNIMBY(Not in My Back Yard)、「裏庭は御免」なんてのはなかなか粋な表現ではないかと思うのだけれども、んな勝手な社会でいいのかね...まぁ私も。
(平成31年3月15日/2487回)