醜態

外に出ればどんな厄難が降って来ないとも限らず、そんな大事な日の前日はじっと家で...なんてのは性に合わぬ、というか「別な」厄難に遭いそうで...。
当たるも八卦は占い師、転ぶも残るも運次第。就任前にやり残したことがある、といえば恰好がいいけれども大会登録は半年以上前にて意図せずとあくまでも「結果的」な話。先のことを言わば鬼が笑う、全ては確定後で...と申し上げたものの、万事抜かりなきが役人。ソレを前提に翌日以降の予定を渡されたのだけれどもとりわけその日だけは各方面の挨拶含む分刻みの予定、ってことはいわゆる「自力」歩行を伴う訳でまさに泣きっ面に蜂。
まぁ先程から何を意味不明なことをと思われるかもしれんけど、改選後の初めての臨時会が招集されてその初日に行われる議長選挙。似つかわぬ大役は御辞退すべきも幸いにして体調だけは万全にてそんな状況にはなく。運悪く、いや「幸運にも」というべきか、その前日にマラソン、正式には「星の郷八ヶ岳野辺山高原100kmウルトラマラソン」に出場。42.195kmならば翌日とて支障は全く...否、「ほとんど」ないのだけれどもさすがに100kmとなれば事は深刻。いや、100kmとて2年前に完走経験はあるけれどもとりわけそのレース、通称「のべやま」ってのは国内レースの中でも屈指の過酷なものらしく。
レースも選挙に同じ、本チャン前に九割が決まる。ゆえに事前の準備は選挙以上に抜かりなく入念だったりもして。14時間も走り続けるのだから勿論体重は軽いに限る、願掛けの断酒とまではいかぬも整腸に効く(とされる)漢方薬まで服用して。そう、それだけの距離ともなれば身体のみならず内臓への負担も著しく、レース途中には栄養補給に排泄と生命の営みに欠かせぬ機能の重要性に気付かせてくれる。
目的地は日帰り圏内なれどスタートは朝5時にて宿を手配したのだけれども到着は前日の夕刻というか夜。十分に睡眠取れぬままに14時間走り続けて、そのまま自らの運転で戻らねばならず。当日ならばまだ動くのだけれども悲しいかな疲労は翌日に押し寄せる。見返り貰っても拒否が当然、払ってまで...なんてのは狂気の沙汰としか思えぬとは巷の声。全ては金銭に代えられぬ達成感の為にて翌日など顧みずに限界に挑むのだけれどもさすがに今回ばかりはよぎる不安。
で、迎えた当日。42.195kmとは選手の緊張感がまるで違う、まず、冷やかしがなく、私以上の体躯というか恰幅はおらず。まぁ自己との戦いにて他人様は関係ないのだけれども...。晴天に恵まれた中、雄大な大自然相手にまずは走れる健康に感謝しつつもはや50km付近から悲鳴を上げる足。このへんで断念しておけばハレの日に醜態を晒さずに済みそうだとの悪魔の囁き。主催する自らのコンペで優勝せしは現役時代のおらがセンセイ。地元の陰口などどこへやら、真剣勝負に手を抜く奴があるかというのが当人の御持論らしいのだけれども手抜きは自らの為ならぬ、なんて挑んだ結果は...。
後任のH団長が過去のコピペならぬ自らが手を入れたという推薦文に他の賛同を得て登壇せしも足下おぼつかず。通算2500回の節目となる本日晴れて第42代川崎市議会議長に就任させていただいた。
(令和元年5月20日/2500回)