良猫

季節外れの花を「機を逸す一輪揺らし秋の風」と詠んだ。季語は「秋の風」ゆえ花の名を記さば季語二つ。ちと工夫したつもりが、ヘンに凝らずと前五は「咲き残る」で結構と赤ペンにあった。予め用意されていたとしか思えぬ手際良さの挨拶状に前後して届いた胡蝶蘭。はて、逆ではないのか。いや、置ききれぬ余剰品とか。やっぱり人気の大臣ってのは違うんだね。まぁあって困るもんでもなく縁起物ゆえと部屋に飾りし翌日に地元の代議士が比例三回にして「ようやく」政務官にありついたと聞いてそれはめでたい早速に...いや、ちょうどいいぢゃないか。
言論統制に厳しい監視下はさながらジョージ・オーウエルの世界を連想させるも隷属には程遠く、むしろ適応するは善導に繋がっているのではないか。さすが白でも黒でも鼠捕らば良猫の国。結果的に社会に道徳が根付かば手段問わずとも...隣国の近況描く一冊を読んだ。あぁ見えて私の最初の公認時の面接官だから一応の恩人である訳で、下手な小説に劣らぬ壮絶な過去の真偽は定かならずも欲せずとその手の話は「本人から」随分聞いた。まつわる話には全く不自由ないのだけれどもこと最近などは執拗なまでに追われる過去。その位の危険な橋を渡らねば人として成長出来ぬ。下馬評に「要注意」などとの印あるそうで、実力も見ぬうちから騒がずと。仕事さえ出来れば白でも黒でも...違うか。
閑話休題。川崎市議会も各会派の代表質問を終えて次なる舞台は決算審査特別委員会。委員長を指名して雛壇を下りたものの、肝心の質疑は「現職」の議長は許されぬ、というか正確に申し上げれば辞退するのが慣例だとか。おい、バカ言っちゃイカン。んなものに従えるかっ。と言えれば大したもんなのだけれどもそのまま丸め込まれて生じた一日は無駄に出来ぬ。駄々っ子ぢゃあるまいに休むと告げて向かいし先は...。ライフラインの断絶に復旧遅れて募る苛立ち。そんな状況を物語るが如く本市にも職員の派遣要請が届いた。
日夜の作業に徹する作業員を責むるは酷。防災服着てショベル片手に行くは厭わぬもまずは現地を見てみねば。と、早朝より車走らせ房総半島の館山自動車道を一路南下。やはり通常より交通量明らかに多く、災害派遣を掲げた自衛隊車両に警察車両、そして、作業車等の往来目立つ。途中から一般道にて村落回れば壊滅に近いビニールハウスと瓦屋根に被せられたブルーシートが異様に目立つ。瓦は特注品にて調達が大変なんだよナ。意外と残るは頭上の青い道路看板、鉄塔以上に風圧に晒されそうなもんだけど。
そう、これだけ被害が広域に及ぶ割に見えてこぬ「県」の存在。政令市は自前にてそれなりの対処や復旧が図れるもののそれ以外の一般市及び町村は「圧倒的」に人員が不足しており、そちらの支援を、とは東日本大震災直後の仙台市の管理職の談。日頃はあれだけの権勢を誇っておられるのだからそんな時位は...。問われる「県」の役割。
首都圏を直撃した災禍は近年異例。結果的に停電等の被害は千葉県を含む一部に留まったものの、全域に及べば混乱必至。本市の避難所にしても避難者数が少ないから冷静に対処出来るも大挙して押し寄せられてはどうか。支援物資の調達、罹災証明の発行に派遣先の状況等々。対岸の火事ならぬ次の糧とすべく学ぶこと多き一日にて。
(令和元年9月20日/2524回)