2021.04.29 20:55裏口味噌か塩か、分かれる嗜好はラーメンならぬサバ定食の話。注文承るは味噌二つも既に完売にて用意されしは塩二つ。店側の不手際にて勘定は一つ分にて結構、と店長。そりゃ逆に申し訳ない、他の惣菜も買っていくよ、また来ると満足げに店を後にする客。災い転じて福と為した店長の機転。ゼロとはいかぬも相手の立場に想いを馳せらば幾ばくかの被害を抑えられたのではあ...
2021.04.24 20:55自立上京を決意した息子、見送る父親が長距離トラックの運転手に手渡す茶封筒。「要らぬ」と返された封筒の中には泥の付いた一万円札。父の苦労に想いを馳せて涙する息子。架空とはいえその生き方から多くを学んだ黒板五郎の訃報に偲ばれる故人。あの泥酔などはどう見ても演技に見えぬ、俳優の田中邦衛さんが逝かれた。恵まれぬ子らの為に、と置かれた封筒。他人のことよ...
2021.04.19 20:55横串駄作か傑作か、割れる賛否に紛糾して暴動に。そんな場面から始まる映画「シャネル&ストラヴィンスキー」。その才能をいち早く見抜いたココ・シャネル。そんな彼女と友情を越えた恋仲に落ちていく関係に妻が痛烈な一言、「あの女と寝たの?」。「否」と申せば良心の呵責に苛まれ、「是」とすれども許される保証なく、聞かぬが仏か。過去の履歴を追うにどうもそこに結...
2021.04.14 20:55酒肴自叙伝の出版に一文を頼むとの依頼。こちらの肩書を利用して自らの権威を示さん、というよりもこちらの宣伝に一役買わんとの厚意らしく。労こそ厭わぬも表舞台は苦手、目立たぬに限る。相手は齢九十に迫らんとする御仁にていづれ忘れるに違いないと空返事をしておいたのだけれども「まだか」と督促の御電話をいただいてしまった。不動産を生業にする雄にて何度か市と...
2021.04.09 20:55挑戦禁じられし行為は逆を返せばそれだけ効果的。ゆえに虎の巻など探さずと公職選挙法を入念に読み解けば自ずから為すべきことが分かる、あとは法に抵触せぬ境界をどう見極めるかだ、とはおらがセンセイ。健康を害しかねぬと知りつつもつい手が伸びるコンビニのスイーツ。やはり「禁断」とされる果実こそ格別に旨い、というか、そう思わせるもので。相次ぐ中止にかろうじ...
2021.04.04 20:55三福名は選べれど苗字となるとそうはいかぬ。当人の御利益にあやからん、などとは露ほどにも思わぬにせよ、七福神ならぬ三福めぐりを御存じか。その名を冠した名所旧跡、神社に美術館、最後の一つはこちらかも。日進町といえばそちらの代名詞のようなもので。かつて、夜となれば一人で歩けぬエリアだったとか。そんなエリアに駆け込み寺を作らんと思ったか否か、押し寄せ...