2024.03.29 20:55石鹸残した仕事を片付けに、とはあくまでも口実。ただ住み慣れた会社の空気に触れておきたかった、というのが。社長たる自分がおらずとも会社は何事もなく動いている、これでよかった、と。介添え役の妻に肩を借りて部屋を出て立ち止まるは。エレベーター前にて、しばし逡巡の後、手を伸ばすは古びた階段の手すり。「ここから下りよう。彼らが仕事に使っているから」とは...
2024.03.24 20:55神馬任期は二年と思いきや、たった一年。ろくな仕事もせぬままに退任の挨拶を終えた。入を計りて出を制す、身の丈に合わせた歳出に転換を遂げるが理想と知れど、現実は日暮れて道遠し。賭場の胴元などといわば聞こえ悪くも市には単年度七億円もの繰入を行うばかりか、今回の地震への義援金とて収益の一部のみならず関係者の善意も添えて。それでいて一部からはそんな目で...
2024.03.19 20:55桜餅当日の夕刻に見かけるは「完売」の二字。機を逸すれども月内は継続と聞いて立ち寄るに。あった、桜餅。卒入学に欠かせぬは紅白饅頭。忙しそうで、と店主に水を向けるに、今や注文なく、その理由やアレルギー有する生徒への配慮とか。当該生徒に罪あらず、何も全体でそう決めずとも。せちがらい世の中で。新庁舎の見学が絶えぬとか。それだけの税を投じた以上、中の使...
2024.03.14 20:55盲信たまには顔を、との声受けて訪ねるに農作業の小休憩と重なり。茶に添えられるは韓国風の海苔巻きとたくあん。どうぞ手を付けて、と言われてほおばるに口に余韻残るは、にがみ。菜花ならぬ蕗の薹か、春だナ。久々に同席したピアニストにぶつけるはかねての疑問。アルゲリッチを聴くべきか。往年は言わずもがなも、今や「それなり」の年齢となられ。老いて醜態を晒す位...
2024.03.09 20:55烙印贔屓の作家の訃報を「最近」知るに手にした一冊。最愛の妻を失いし失意の中にふてくされる主人公がその人との邂逅を通して日常を取り戻していく。「いねむり先生」と申してもどこぞの市議の話にあらず。そう、坊や哲、その人にてこの御仁の作品もほぼすべからく。多くの思い出残し学び舎に別れ告げるに快く見送るが在校生。せめてそんな時位は。歴史に残る一戦を交え...
2024.03.04 20:55二兎イップス、などと高校生に笑われるは心外、今に見ておれ、目にものを、と意気込めどもこればかりはランと違って「いつでも」「どこでも」とはいかず。照明まぶしき練習場に、夜の八時以降にスーツ姿で現れて、格好そのままにワイシャツの袖をまくり上げ、眉間に皺寄せて振っているバカがいたら、私。それでいて刻一刻と迫る予選会にランの練習量とて減らす訳にいかず...