2024.07.24 20:55夏山これが限界、と断念したはずが、三日も過ぎれば。やはりあの時に無理を押してでも、なんて。一年後の再挑戦などと申してもそこに保証なく。せっかちな性分にて来年まで待てぬ、せめて年内、と物色するに探し当てるはそのレース。確か、折り返しに水着美女が。体力の限界は忘れてもそんな記憶だけは。ゴールならぬ「折り返し」とあらば仮に完走が叶わずと美女に一目。...
2024.07.19 20:55牛歩白雲なびく駿河台、は校歌の一節。そびゆる母校から遠目に見ゆるその大学。今春から甥が上京。入学祝いの約束を果たさんとするにそこは学部違い、自らのキャンパスは都心ならぬ「郊外」と。最寄駅を教わるに知らぬばかりか漢字も読めず。都心から電車に揺られて一時間、降り立つにバス停一つ。不慣れな土地にまごついとる間に乗り遅れ、次の便まで三十分。ならば歩い...
2024.07.14 20:55白物強豪校とあらば一回戦など歯牙にもかけぬ。が、彼らにとってはまさにその一勝こそが青春の証。巡り合わせの妙、実力伯仲の公立校同士の対戦にあって画面に見るはかつての同級生。あっ、ゆう君だ、と息子らが。あれから三年。立派に成長されて。主将としての役目を果たす最後の夏。息詰まる熱戦、延長十回の逆転に涙を。毎年の恒例、予算要望。六十を超える団体からの...
2024.07.09 20:55飛脚母が子に聞かせる偉人伝や信玄公。越後にあって主人公が違うとぐずる幼児。そんな料簡が狭いことでは大成せぬ。越後の房五郎ならぬ日本の房五郎に。旅をせよ、と母に背中押されて郷里を後にする少年、房五郎。幕末にあって辿り着くは長崎。待てど届かぬ郷里からの荷。これ以上は待てぬ、と出立を決めども放浪の旅ゆえ向こうの住所が定まらぬ。決まり次第、手紙を出す...
2024.07.04 20:55寝袋どこまでも果てしなく続く青とランナーたちの爽やかな笑顔。そんな表紙に魅せられた人は少なくなく。十回の完走に与えられる称号の名や「サロマンブルー」。以後、出場の際は別色のゼッケンが付与されるばかりか、湖畔のスポーツセンターに記念の足形が飾られるとか。そこに名を残そうとは思わぬまでも、肉体の限界が近づく中に見る湖面の夕日や得がたい体験、まさに...
2024.06.29 20:55独身祝祭年に本市が誇るホールにて予定されるはウィーン・フィルのみならず。年末のバイエルン放送交響楽団のチケットが「即売」だったとか。万が一にも未完とあらばその曲を以て第四楽章に充てよ、とは作曲家の遺言とされ。事実、完成を見ることなく。第九は第九でも未完の第九。本市が百年ならば、そちらは生誕二百年だそうで。いつの時代も損な性格、不器用な人、とい...
2024.06.24 20:55選者突如、事務所に届くは就任の依頼と題した手紙。自ら志願するほど厚顔になく、恐らくはどなたかの推挙によるものなれど。身に余る光栄、というよりも、んな「大それた」役職は他に適任者が。さりとて、畏れ多いと辞退するに推薦人に非礼にならぬか云々。受諾の可否を、と記されておらぬがせめてもの救い。気になる役職名や区俳句大会の「選者」だそうで。届きそで届か...
2024.06.19 20:55仄聞シャッターは一瞬なれど写真は一生。何歳になろうとも同級生を特定するに欠かせぬは。いや、当人らはそんなこと知るはずもなく。卒業アルバムの撮影を前に生徒の間で化粧が話題とか。化粧といわぬまでも、せめてヘアアイロン、とねだる娘に「いらぬ」と、にべもなき妻。ならば私が、と口を挟むに。原稿がボツになる位だから説得力に欠ける、いやいや、その位、切れ味...
2024.06.14 20:55再審聖域を侵すべからず。神格化される権威も今や全てが映像に残るばかりか世に知らしめられる時代。ならば可視化してみよ、なんて。それでも大相撲などはあくまでも試合後の判定なれど、種目によっては途中のプレーを巡り再審を仰ぐことも許されたりもする訳で。途切れる集中力に試合の流れとて。ということで、判断を巡る話題から。長引く咳に下されし診断は気管支炎。...
2024.06.07 23:26疎開南足柄市と聞いて浮かぶは足柄山の金太郎ならぬ、父の疎開先。奇縁にて知りあいし御当地の市議。少年時代の記憶と申してもあれから既に八十年。通いし小学校の名と近くにありし公民館、そして、ミカン畑が広がる農家、の三つを手がかりに疎開先の家を探し当てて下さったそうで。最後の孝行とばかり高齢の父を連れだって果たす感動の再会。その後、まもなく永遠の眠り...
2024.06.04 20:55鶯宿公衆の面前、それも少年野球の開会式とあらば尚更のこと、既に整列しとる中にそんな冴えぬ顔と気だるそうな足取りでやって来られてはかえって評価を落としかねず。身から出たサビとはいえ、んな中に身を置いとるから運気が上向かんのであって、たまには自然の中に身を任せて。それにしてもペッカーズの選手宣誓はよかったナ。収穫が最盛期を迎えるに人手が足りぬ、と...
2024.05.29 20:55新札塾に通い詰める日々に迫られる進路選択。滅多におらぬ自宅にて「たまたま」聞こえし母娘の会話。意中の志望校を伝える娘に妻がひと言、「そんな偏差値の高い学校では異性が寄りつかぬ」と再考を求め。この御時世にあって何をかいわんや、耳を疑いしその一言に「学歴を前に交際を躊躇する男など相手にするな」と娘の背中を押した、つもり。されど、んな話はそこに限ら...